モルタル防水工事
モルタル防水とは、セメント、砂、水を練り、防水材を混合し、施工する防水層の事です。
防水層の種別
モルタル防水工事に用いる防水層には、A種、B種、C種、D種の4種があります。
いずれも、標準的な厚さは15~20mmです。
A種 |
A種は、下塗りと上塗りの2工程からなり、下塗りにポリマーセメントモルタルを、 上塗りに防水モルタルを用いる防水層です。 |
B種 |
B種は、下塗り、中塗り、上塗りの3工程からなり、下塗りにポリマーセメントモルタルを、 中塗りと上塗りに防水モルタルを用いる防水層です。 |
C種 |
C種は、下塗りと上塗りの2工程からなり、下塗りと上塗りの両方にポリマーセメントモルタルを用いる 防水層です。 |
D種 |
D種は、下塗り、中塗り、上塗りの3工程からなり、下塗り、中塗り、上塗りの全てに ポリマーセメントモルタルを用いる防水層です。 |
下地の状態
- 下地の表面は適度に粗くしておきます。
- ワイヤーブラシを用いて、下地コンクリート面のレイダンスなどを除去します。
- 下塗りの前に下地を水で洗い、適度な湿潤状態で下塗りを行います。
モルタル防水工事の材料
モルタル防水工事に用いる主な材料は、防水材とポリマーディスバージョンです。
これらの材料は、以下の点に注意します。
- 防水剤は、資料によって性能が裏づけされているものを用います。
- ポリマーディスバージョンはJIS規格に順ずるものを用います。
- 防水剤、ポリマーディスバージョンは、品質が変化しないように保管し、安定期間内に
使用します。
調合
材料は、以下の分量で調合します。
- セメントと砂は、下塗りで1:0~1、中塗りで1:2~2.5、上塗りで1:2~3の割合でそれぞれ調合します。
- 防水モルタルを調合するときの水量は、防水材も含めてセメントの60%以下にし、できるだけ水の割合を少なくします。
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ポリマーセメントモルタルを調合するとき、ポリマーセメントモルタルへのポリマーディスバージョンの混入割合は10%以上にし、水量はセメントの30~60%の範囲でできるだけ少なくします。
また、モルタルは、原則として機械で練り混ぜ、20℃の場合で練り混ぜてから45分以内に使用します。
モルタル防水工事の施工
ポリマーディスバージョンを混ぜたモルタルかペーストを下塗りし、下地の接着をよくします。
- 下塗りが乾燥しないうちに、セメント防水剤かポリマーディスバージョンを混ぜたモルタルを
10mmほどの厚さに1~2回に分けて塗ります。
- 塗り継ぎ箇所は、各層段逃げにします。
- ドレインや配管の周囲は、特に入念に
塗付けます。
養生
塗りが終わると、材料の特性と施工箇所に応じた養生を行います。
養生にあたっては、以下の点に注意します。
- 直射日光や風によって急激に乾燥するおそれがある場合、散水、覆い、養生剤散布などによって乾燥を防ぎます。
- 凍害のおそれがある場合は、覆いをかけて保温します。
- 材令の初期には、衝撃や振動を与えないようにします。
- 資材や什器を運搬するときや、設備配管、器具取り付け、墨出しなどの作業を行うときは、
防水層を損傷しないように養生します。